裸眼3Dとは?しくみと日本で買える裸眼3Dディスプレイ
この記事について:公開されている情報をもとにOwl3Dが執筆しました。出典(全19件)は記事の最後に掲載しています。
結論
裸眼3Dとは、専用のメガネやVRゴーグルを使わずに、映像が立体に見える技術のことです。身近な例は、街頭の大型ビジョンに流れる3D映像と、机に置いて使う裸眼3Dディスプレイの2つです。裸眼3Dディスプレイは、画面の前に重ねたレンズで、左右の目に別々の映像を届けます。日本では2026年10月時点で、ソニー、Acer、Owl3Dなどの製品が販売されています。この記事は、Owl3D Shiftを製造・販売しているOwl3Dが書いています。

ソニーの空間再現ディスプレイ「ELF-SR2」。27インチの裸眼3Dディスプレイです。画像:ソニー
この記事のポイント
- 街頭ビジョンの3D映像は、立体に見える位置が限られます。詳しくは2種類の裸眼3Dへ。
- ソニー、Acer、Owl3Dの裸眼3Dディスプレイは、カメラで目の位置を追います。ソニーのELF-SR2とOwl3D Shiftは、3Dを見られるのが一度に1人です。詳しくはしくみへ。
- 日本で買える製品の価格と、3Dで表示できるものは比較表にまとめました。
- Owl3D Shiftは、パソコンの画面に映っている動画やゲームを、その場で3Dに変換します。AIによる変換であり、スタジオが制作した3D版ではありません。
「裸眼3D」と呼ばれるものは2種類あります
1つめは、街頭の大型ビジョンです。新宿駅東口の「クロス新宿ビジョン」に現れる巨大な猫の3D映像がよく知られています。PHILE WEBの記事によると、街頭ビジョンの3D動画は、L字型や湾曲型など、映像を映す面が2面あると奥行きを感じやすくなる一方、視聴角度が限られるため、見る人は特定の位置に集まる必要があるといいます[1]。

2つめが、机に置いて使う裸眼3Dディスプレイです。ソニーは自社の製品を「空間再現ディスプレイ」と呼んでいます[2]。ここから先は、裸眼3Dディスプレイについて説明します。
裸眼3Dディスプレイが立体に見えるしくみ
人が奥行きを感じる手がかりの1つは、左右の目に映る像のずれ(両眼視差)です。裸眼3Dディスプレイは、基本的に、画面の前にレンチキュラーレンズを重ねた構造になっています。レンチキュラーレンズとは、かまぼこ型の細長いレンズを横に並べたものを指します。左目用と右目用の画素から出た光は、このレンズを通って別々の方向へ進み、それぞれの目に届きます[3]。

見る人の目の位置をカメラで追う製品もあります。ソニーは、視線認識技術で目の位置を常に検出し、左右それぞれの目に最適な映像を生成すると説明しています[2]。AcerのSpatialLabs View Pro 27は、2つのトラッキングカメラで顔と両目の位置を捉えます[4]。Owl3D Shiftも、レンチキュラーレンズとアイトラッキングを組み合わせています[5]。
目の位置を追う製品を選ぶときは、次の2点を確かめてください。
- 3Dを見られる人数: ソニーのELF-SR2は、仕様表の「視聴可能人数」が1です[6]。Owl3D Shiftも、3Dを見られるのは一度に1人です。
- 3D表示のときの解像度: ソニーは仕様表に「実際の立体視の有効解像度は4K以下となります」と記しています[6]。Owl3D Shiftは、3D表示のとき片目あたり1,920×2,160ピクセルになります。
これとは別の方式もあります。Kibidangoに掲載されたLooking Glass Goの紹介ページによると、この製品はアイトラッキングを使わず、複数の人が同時に3Dを見られます[7]。
日本で買える裸眼3Dディスプレイ(2026年10月時点)
メーカー名のアルファベット順(Acer、Looking Glass、Owl3D、Sony、ZTE)に並べています。Shiftの欄は、Owl3Dの自社情報です。ほかの製品の欄は、各メーカーや販売元の日本語ページ、国内メディアの記事、価格.comをもとにしています。Looking Glass Goは、日本向けに現在販売しているページを確認できなかったため、参考として載せています。
| 製品 | 画面 | 3Dで表示できるもの | 必要なもの | 3Dを見られる人数 | 日本での価格 |
|---|---|---|---|---|---|
| Acer SpatialLabs View Pro 27(ASV27-2P) | 27インチ、4K[4] | 3Dモデル、サイドバイサイド(トップアンドボトム)方式の映像。写真や動画など全画面表示できる2Dコンテンツは、AIが疑似的に3D化[4] | Windows 10以降のパソコンと専用アプリ(無料)。必要なGPUはデスクトップでGeForce RTX 2080以上、ノートでGeForce RTX 3070 Ti Laptop GPU以上[4] | プレスリリースに記載なし[4] | オープンプライス。発売時(2024年9月)の直販価格は249,800円(税込)と報じられています[8]。価格.comで「SpatialLabs」と検索すると、この型番の出品が561,331円と804,570円で見つかりました[9] |
| Looking Glass Go | 6インチ[10] | スマートフォンの写真をアプリで変換した空間映像、アバター、blocks.glassで公開されている空間映像[7] | スマートフォンと対応アプリ。USB-CケーブルでMacなどのパソコンにつないで使うこともできます[7] | 複数人で同時に見られます[7] | Kibidangoでの予約受付は2024年2月28日に終了しました[7]。メーカーのストアは米ドル表示のため、金額は載せていません[11] |
| Owl3D Shift | 14インチ、4K | Shiftにドラッグしたウィンドウ(動画、写真、ブラウザ、ゲーム)を、AIがリアルタイムで3Dに変換。サイドバイサイドやトップボトムの3D映像も表示できます。Netflixなどコピー保護のある配信サービスにはブラウザでのみ対応しており、ブラウザのハードウェアアクセラレーションをオフにする必要があります。アンチチート機能のあるゲームは、変換できないことが多くあります | Owl3Dアプリを動かすパソコン。リアルタイム変換には、NVIDIA RTX 30シリーズ以上を搭載したWindowsパソコンか、Appleシリコン(M1 Pro、またはM2・M3・M4以降)を搭載したMacが必要です[5] | 一度に1人 | 価格はOwl3Dストアで国ごとに表示されます。日本へお届けします[5] |
| ソニーELF-SR2 | 27インチ、4K[6] | 3Dモデル(FBX、OBJ、GLTF、STL形式)、UnityやUnreal Engineで開発したコンテンツ、CADやBIMのデータ[12]。仕様表には、サイドバイサイド方式の立体映像を見るときの推奨視聴距離も載っています[6] | Windows 10・11のパソコンと専用アプリ[12]。推奨GPUはGeForce RTX 2070 SUPER以上、またはRadeon RX 5700 XT以上[6] | 1人。視聴者切換機能があり、2人が交互に見られます[6][13] | ソニーストアで550,000円(税込)[13] |
| ZTE nubia Pad 3D | 12.4インチ、2,560×1,600[14] | 内蔵カメラで撮影した3D写真と3D動画。YouTubeなど既存の2D動画もリアルタイムで3D化(グローバル版を取り上げた2023年4月のASCII.jpの記事による)[15] | タブレット本体(OSはAndroid 12)[16] | 製品ページに記載なし[14] | 価格.comの最安価格は99,800円(8GB+128GBモデル)[16] |
時点で確認:日本での価格。
Shiftの欄に金額がないのは、Owl3Dが価格を自社のストアで国ごとに案内しているためです。なお、ストアは日本国外から開いて確認しました。日本での取り扱いや価格は異なる場合があります。
このほか、ソニーの15.6インチモデル「ELF-SR1」は、ソニーストアでの販売が終了しています[2]。サムスンのOdyssey 3D(G90XF)は、2026年10月11日にサムスンの日本向けサイトで「odyssey 3d」と検索したところ、見つかりませんでした[17]。同じ日に価格.comで「G90XF」と検索すると、出品は並行輸入品の1件だけで、398,000円でした[18]。
Owl3D Shiftでできること、できないこと

Owl3D Shiftは、メインモニターの横に置いて使う、14インチの裸眼3Dディスプレイです。見たいウィンドウをShiftにドラッグすると、Owl3Dアプリがその場で3Dに変換します。3D用のファイルをあらかじめ用意する必要はなく、待ち時間もありません。
できないこともあります。3Dを見られるのは一度に1人です。パソコンとOwl3Dアプリがなければ3Dにならないため、ゲーム機やブルーレイプレーヤーを直接つないでも3Dでは映りません。リアルタイム変換は、AMDのグラフィックボードでは使えません。AIによる変換であり、スタジオが制作した3D版ではありません。アプリの表示は英語です。
Owl3Dの製品Owl3D Shiftパソコンの横に置いて使う、14インチの裸眼3Dディスプレイ。よくある質問
普段のメガネをかけたままでも、裸眼3Dディスプレイは立体に見えますか?
Owl3D Shiftのアイトラッキングは、メガネをかけていても、かけていなくても動作するように調整されています。ソニーのELF-SR2の製品ページとAcerのプレスリリースには、視力矯正用のメガネについての記載は見当たりませんでした(2026年10月11日時点)[4][6][13]。
手持ちの3Dブルーレイは、裸眼3Dディスプレイで見られますか?
Owl3D Shiftは、ブルーレイプレーヤーやレコーダーを直接つないでも3Dになりません。ソニーのELF-SR2とAcerのSpatialLabs View Pro 27も、3D表示にはパソコンと専用アプリを使います[4][6][12]。パソコンでディスクを再生する場合、Shiftは再生中の映像をその場で3Dに変換します。AIによる変換であり、スタジオが制作した3D版ではありません。
映画館の3D映画は、メガネなしで見られますか?
この記事で料金ページを確認したのは、イオンシネマ シアタス調布の1館だけです。この館の3D上映は、3Dメガネをかけて見る方式です。鑑賞料金に300円が加算され、さらに3D専用メガネ代が200円かかります。3Dメガネを持参すれば、メガネ代は不要です(2026年10月11日時点)[19]。自宅で映画を大画面で見たい場合は、VRゴーグルで映画を見る方法をご覧ください。
出典 (19)
- PHILE WEB、「3D巨大ネコで話題、『クロス新宿ビジョン』が本放映開始。「渋谷ハチ公と並ぶ存在を目指す」」(2021年7月12日)、https://www.phileweb.com/news/d-av/202107/12/53166.html (2026年10月11日閲覧)
- ソニー、「ELF-SR1 | 空間再現ディスプレイ(Spatial Reality Display)」、https://www.sony.jp/spatial-reality-display/products/ELF-SR1/ (2026年10月11日閲覧)
- 池上通信機、「Ikegami TECH vol.27 裸眼3Dディスプレイ ~人の眼の不思議!進化する立体技術~」、https://www.ikegami.co.jp/column/detail/37/ (2026年10月11日閲覧)
- 日本エイサー(PR TIMES)、「裸眼3D立体視Acer SpatialLabs™から、27インチモニターが登場!音も3D再現可能になり、創造の新たな空間を実現!アプリケーションやアドオンを無償提供しエンジニア、クリエイターをサポート」(2024年9月27日)、https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000985.000000640.html (2026年10月11日閲覧)
- Owl3D、「Owl3D Shift - 見るものすべてを3Dにする裸眼3Dディスプレイ」、https://www.owl3d.com/ja/shift (2026年10月11日閲覧)
- ソニー、「ELF-SR2 主な仕様」、https://www.sony.jp/spatial-reality-display/products/ELF-SR2/spec.html (2026年10月11日閲覧)
- Kibidango、「ポケットサイズの空間AIディスプレイ #LookingGlassGo(By Looking Glass)」、https://kibidango.com/projects/2497 (2026年10月11日閲覧)
- エルミタージュ秋葉原、「裸眼で3D立体視できる「Acer SpatialLabs」から27型モデルが登場」(2024年9月27日)、https://www.gdm.or.jp/pressrelease/2024/0927/556265 (2026年10月11日閲覧)
- 価格.com、「SpatialLabs」の検索結果、https://search.kakaku.com/SpatialLabs/ (2026年10月11日閲覧)
- AV Watch、「ポケットに立体画像。ポータブル“ホログラフィック”ディスプレイ「Looking Glass Go」」、https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1552138.html (2026年10月11日閲覧)
- Looking Glass Factory、「Looking Glass Go」(英語)、https://checkout.lookingglassfactory.com/products/looking-glass-go (2026年10月11日閲覧)
- ソニー、「ELF-SR2 の特長: プロの創造性に応えるデザイン&専用アプリ」、https://www.sony.jp/spatial-reality-display/products/ELF-SR2/feature_2.html (2026年10月11日閲覧)
- ソニー、「ELF-SR2 | 空間再現ディスプレイ(Spatial Reality Display)」、https://www.sony.jp/spatial-reality-display/products/ELF-SR2/ (2026年10月11日閲覧)
- ZTE Device Japan、「nubia Pad 3D」、https://www.ztedevices.com/jp/product/nubia-pad-3d/ (2026年10月11日閲覧)
- ASCII.jp、「YouTubeもリルタイムに3D表示可能のタブレット「nubia Pad 3D」」(2023年4月19日)、https://ascii.jp/elem/000/004/133/4133253/ (2026年10月11日閲覧)
- 価格.com、「nubia nubia Pad 3D 8GB+128GB 価格比較」、https://kakaku.com/item/K0001555079/ (2026年10月11日閲覧)
- Samsung Japan 公式、サイト内検索「odyssey 3d」、https://www.samsung.com/jp/search/?searchvalue=odyssey%203d (2026年10月11日閲覧)
- 価格.com、「G90XF」の検索結果、https://search.kakaku.com/G90XF/ (2026年10月11日閲覧)
- イオンシネマ シアタス調布、「料金・割引」、https://www.aeoncinema.com/chofu/price/ (2026年10月11日閲覧)