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ホログラムとは?しくみと「3Dホログラム」の正体

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この記事について:公開されている情報をもとにOwl3Dが執筆しました。出典(全14件)は記事の最後に掲載しています。

結論

ホログラムとは、物体から来る光を干渉縞(かんしょうじま)という細かい模様として記録し、あとで光を当てて立体の像を再現するものです[1]。身近にある本物のホログラムは、クレジットカードや新しい紙幣についている、キラキラ光る偽造防止のホログラムです[1][6]。一方、ライブや展示で「3Dホログラム」と呼ばれる映像の多くは、平面の映像をガラスやスクリーンに映したり、回転するLEDで描いたりしたもので、ホログラムではありません[3][7]。この記事は、Owl3D Shiftを製造・販売しているOwl3Dが書いています。

暗い背景の上で、青や緑、黄色に光るハトの図柄。クレジットカードについているホログラムを近くから撮った写真。

クレジットカードの偽造防止ホログラム。写真:Dominic Alves、Wikimedia Commons、CC BY 2.0、一部を切り抜いて掲載

この記事のポイント

  • 本物のホログラムは、カードや紙幣など、身近なところで見られます。詳しくは身近にある本物のホログラムへ。
  • ライブの「ホログラム」、LEDファン、空中ディスプレイなどが本物かどうかは、比較表にまとめました。
  • 映画『スター・ウォーズ』のように、周りを歩いて見られる空中の立体映像は、ホログラムでは作れません。詳しくはこちらへ。
  • 家で立体の映像を見たい場合は、裸眼3Dディスプレイを使う方法があります。

ホログラムとは

デジタル大辞泉は、ホログラムを「ホログラフィーによる干渉縞を記録したもの」と説明しています[1]。ホログラフィーは、この記録と再生の技術を指します。「ホログラム」という言葉はギリシア語に由来し、「すべてが記録されたもの」という意味があります[1]。

ホログラフィーは、1947年にハンガリーの物理学者ガーボル・デーネシュ(デニス・ガボール)が発明しました。ガーボルは1971年にノーベル物理学賞を受賞しています[5]。

ホログラムのしくみ

ホログラムを記録するときは、1本のレーザー光を2つに分けます。一方の光(物体光)は、物体に当たって反射し、フィルムに届きます。もう一方の光(参照光)は、物体に当たらずに直接フィルムに届きます。2つの光が重なってできる明暗の縞模様(干渉縞)を、フィルムが記録します[2]。

上の図は、レーザー光を鏡とビームスプリッターで2つに分け、物体で反射した光と直接の光をフィルムに当てる様子。下の図は、現像したフィルムに光を当てると、物体があった場所に像が見え、頭の位置AとBで見える面が変わる様子。
ホログラムの記録(上)と再生(下)。図:Owl3D作成

現像したフィルムに参照光と同じ方向から光を当てると、干渉縞が光を曲げて、物体から来た光を再現します。見る人には、物体があった場所に立体の像が見えます。写真が物体の像を平面として記録するのに対し、ホログラムは「立体」として記録できます[2]。そのため、見る位置を変えても、像は立体に見えます[2]。

同じホログラムを上下2つの位置から撮った写真。ネズミと植物の茎の重なり方が、上と下で違う。
1枚のホログラムを、2つの位置から撮った写真。ネズミと茎の重なり方が変わります。写真:Georg-Johann Lay(Epzcawが編集)、Wikimedia Commons、パブリックドメイン

身近にある本物のホログラム

クレジットカードや商品券には、偽造防止のためにホログラムが印刷されています[1]。2016年のITmedia PC USERの記事は、紙幣やカードの「虹色でキラキラした印刷」こそが本当のホログラムだと説明しています[2]。このタイプは、特殊な印刷で光を虹色に分け、太陽光などの自然光でも見えるように工夫されています[4]。そのかわり、見え方が変わるのは左右か上下の一方向だけです[2]。

2024年7月3日に発行が始まった新しい紙幣(日本銀行券)にも、ホログラムがあります。日本銀行は、「肖像が三次元に見えて回転する(銀行券への搭載は世界で初めて)」と説明しています[6]。

「3Dホログラム」と呼ばれるものは本物か

ライブや展示、通販で「ホログラム」と呼ばれるものを、しくみごとに分けました。

呼び名の例しくみ平面か立体かホログラムか
カードや紙幣のホログラム記録した干渉縞が光を曲げて、像を再現する[1][2]立体。見る角度で見え方が変わる[2]はい
ライブや展示の「ホログラム」(ペッパーズゴースト)別の場所にある物の姿を、ガラスなどに映り込ませて見せる[3][4]平面。「実は立体映像ではない」[3]いいえ
半透明スクリーンへの投影(初音ミクの「マジカルミライ」など)舞台に張った半透明のスクリーンに映像を投射する[3]平面。「実は立体映像ではない」[3]いいえ
3Dホログラムファン高速で回転するLEDを光らせて、絵が宙に浮いているように見せる[7]平面。HYPERVSNの説明では、ディスプレイが作るのは2次元の模様[7]いいえ
空中ディスプレイ(ASKA3Dなど)光の反射を利用して、空中に映像を表示する[8]映像が空中に浮いて見える。平面か立体かは、メーカーの説明に記載なし[8]いいえ。メーカーは、ホログラムとは全く異なる「空中結像技術」と説明[8]
ホログラフィックディスプレイ(Looking Glass Goなど)見る方向ごとに違う映像を表示する[14]。Looking Glass Goは視点数40~100[9]立体。方向によって違う映像が見える[14]いいえ。メーカーは映像をホログラムと呼ぶが、製品の種類はライトフィールドディスプレイ[14]。2016年のITmedia PC USERの記事は、ライトフィールドディスプレイの例としてNICTのfVisiOnを挙げ、「いわゆるホログラムではない」と説明[3]
HoloLensの「ホログラム」ゴーグルをかけると、実際の風景にCGが重なって見える[3][10]立体に見える。ゴーグルが必要[3]いいえ。本来の意味でのホログラムではない[2]

時点で確認:表の各方式の説明。

横から見た模式図。舞台の手前の床下に隠れたスクリーンがあり、その上に斜めに張った透明なフィルムが、映像を観客の方へ反射している。人物は舞台の上に立っているように見える。
ペッパーズゴーストのしくみ。観客が見ているのは、平面の映像の反射です。図:Owl3D作成
大きなホールの吹き抜けに、格子状に並んだLEDファンが人の顔を映している。
LEDファンを並べて映した顔(米国ラスベガス、2025年8月)。写真:Cory Doctorow、Wikimedia Commons、CC BY-SA 4.0、左端の一部を切り取って掲載

『スター・ウォーズ』のようなホログラムは実現できるか

ホログラムでは実現できません。米ブリガム・ヤング大学のダニエル・スモーリー教授は、映画『スター・ウォーズ』のレイア姫の立体映像はホログラムではないと説明しています[11]。空中に浮かび、周りを歩いてどの角度からも見られる3D映像は、ボリュメトリック(体積)画像と呼ばれます[11]。ホログラムでは、光を散乱させるのは平らな面だけです。そのため、その面のほうを見ていないと、像は見えません[11]。

スモーリー教授らは、レーザーで小さな粒子を動かし、空中にフルカラーの像を描く研究を発表しています[11]。ユピテルのコラムは、「クリアで違和感のないリアルな3Dホログラムはまだできていません」と書いています[4]。

家で立体の映像を見たいとき

家で映画やゲームを立体で見たい場合は、メガネのいらない裸眼3Dディスプレイを使う方法があります。日本で買える製品は、裸眼3Dとはで比べています。

Owl3D Shiftは、14インチの裸眼3Dディスプレイです。ホログラムではありません。4Kパネルにレンチキュラーレンズの層を組み込み、アイトラッキングを使って、左右の目に別々の映像を届けます[12]。3Dを見られるのは一度に1人で、Owl3Dアプリが動くパソコンが必要です[12]。Shiftにドラッグしたウィンドウの動画やゲームは、その場で3Dに変換されます。リアルタイム変換には、NVIDIA RTX 30/40/50シリーズのGPUを搭載したWindowsパソコンか、Appleシリコンを搭載したMacが必要です[12]。AIによる変換であり、スタジオが制作した3D版ではありません。

手持ちの写真も、Shiftで3Dにして見られます。できあがる3Dは、AIによる変換であり、2つのカメラで撮影した空間写真や空間ビデオとは別のものです。

よくある質問

ホログラムは「特殊な写真」と考えてよいですか?

考え方としては近いです。写真は物体の像を平面として記録します。ホログラムは、光の干渉縞を使って、物体の像を「立体」として記録します[2]。

ホログラムとホログラフィーの違いは何ですか?

ホログラフィーは、光の干渉縞を記録して像を再現する技術です。ホログラムは、その干渉縞を記録したものを指します[1]。英語では、ホログラムはhologram、ホログラフィーはholographyです。

初音ミクのライブの映像はホログラムですか?

ホログラムではありません。ITmedia PC USERの記事によると、「マジカルミライ」などの初音ミクのコンサートでは、舞台に張った半透明のスクリーンに映像を投射しています[3]。

スマホで3Dホログラムを作れますか?

映像が浮かんで見える台なら作れます。透明な板で台を作ってスマホの画面の真ん中に置き、動画を再生するしくみです。作り方は日立キッズのサイトに載っています[13]。同じページでは、SF映画のようにレーザーで立体映像を映し出す技術はまだ研究中だと説明されています[13]。

出典 (14)

  1. コトバンク(デジタル大辞泉、ブリタニカ国際大百科事典)、「ホログラム」、https://kotobank.jp/word/%E3%81%BB%E3%82%8D%E3%81%90%E3%82%89%E3%82%80-3170100 (2026年11月2日閲覧)
  2. ITmedia PC USER、「誤解だらけの『ホログラム』 それっぽい映像表現との違いは?」(2016年6月19日)1ページ目、https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1606/19/news008.html (2026年11月2日閲覧)
  3. ITmedia PC USER、「誤解だらけの『ホログラム』 それっぽい映像表現との違いは?」(2016年6月19日)2ページ目、https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1606/19/news008_2.html (2026年11月2日閲覧)
  4. ユピテル「ユピスタ」、「新紙幣に採用された3Dホログラムとホログラム映像 何が違う?」(2025年5月19日更新)、https://www.yupiteru.co.jp/yupista/article/3d-hologram.html (2026年11月2日閲覧)
  5. ウィキペディア、「ホログラフィー」、https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AD%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC (2026年11月2日閲覧)
  6. 日本銀行、「新しい日本銀行券の特徴」、https://www.boj.or.jp/note_tfjgs/note/n_note/security.htm (2026年11月2日閲覧)
  7. HYPERVSN、「How Does Holographic Projection Work? A Complete Guide to Holograms」(英語)、https://hypervsn.com/blog/How-Does-Holographic-Projection-Work.html (2026年10月9日閲覧)
  8. アスカネット、「空中ディスプレイ事業」、https://www.asukanet.co.jp/contents/product/aerialimaging.html (2026年11月2日閲覧)
  9. AV Watch、「ポケットに立体画像。ポータブル“ホログラフィック”ディスプレイ『Looking Glass Go』」(2023年12月5日)、https://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1552138.html (2026年11月2日閲覧)
  10. Microsoft Learn、「ホログラムとは」、https://learn.microsoft.com/ja-jp/windows/mixed-reality/discover/hologram (2026年11月2日閲覧)
  11. Brigham Young University、「BYU study produces 3D images」(英語)、https://physics.byu.edu/department/news/2018-12-byu-study-produces-3d-images (2026年10月9日閲覧)
  12. Owl3D、「Owl3D Shift - 動画もゲームも3Dで楽しめるLive 3Dモニター」、https://www.owl3d.com/ja/shift (2026年11月2日閲覧)
  13. 日立キッズ、「スマホでかんたん3Dホログラム!」、https://www.hitachi.co.jp/kids/event/craft/2016/01_01.html (2026年11月2日閲覧)
  14. Looking Glass、「How does Looking Glass Work?」(英語)、https://lfdocs.lookingglassfactory.com/keyconcepts/how-it-works (2026年10月9日閲覧)

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