立体写真(ステレオ写真)の撮り方と見方:スマホ1台で撮る方法から3Dで見る機器まで
この記事について:公開されている情報をもとにOwl3Dが執筆しました。出典(全17件)は記事の最後に掲載しています。
結論
立体写真(ステレオ写真)は、左目用と右目用に少し位置をずらして撮った2枚の写真です。左目に左目用の写真、右目に右目用の写真を見せると、写っているものが立体に見えます。用意する方法は3つです。スマホやカメラ1台で、目の間隔ほど横にずらして2枚撮る方法、2つのレンズで同時に撮れる機器を使う方法、普通の写真1枚からAIで作る方法です。道具を使わない平行法・交差法のほか、ステレオビューア、3Dテレビ、VRゴーグル、裸眼3Dディスプレイで見られます。この記事は、Owl3D Shiftを製造・販売し、動画を3Dに変換するOwl3Dアプリを開発しているOwl3Dが書いています。

昔ながらのステレオスコープとカード。少しずれた2枚の写真を、片目ずつに見せる道具です。写真:Ben Franske、CC BY-SA 4.0、Wikimedia Commons
この記事のポイント
スマホやカメラ1台で撮る
1台で撮るときは、1枚目を撮ったあとカメラを横へ動かし、2枚目を撮ります。2枚のあいだに時間差があるため、動いているものはうまく立体になりません[1]。
- 置物や建物、風景など、動かないものを選びます。
- 左目用の1枚目を撮ります。
- カメラの向きと傾きを変えずに、右へ水平に動かします。被写体まで2mほどなら、動かす距離は人の両目の間隔と同じ約6.5cmが目安です[1]。
- 右目用の2枚目を撮ります。ズームや露出は1枚目と同じにします[2]。
動かす幅は、被写体までの距離に合わせて変えます。被写体まで1mほどなら5cm程度で十分に遠近感が出て、遠くの風景なら小さく一歩(例では20cm)動くとうまく撮れる、と解説しているサイトもあります[3]。同じサイトは、2枚のうち一方が傾いた「ロールずれ」を「絶対発生させてはならないずれ」と書いています[3]。
撮った2枚の位置や傾きのずれは、StereoPhoto Maker(ステレオフォトメーカー)というソフトで直せることがあります[4][5]。
2つのレンズがある機器で撮る
左右2つのレンズで、1回に2枚を撮れる機器もあります。
- iPhoneの空間写真:Appleの開発者向け資料(英語)によると、空間写真は左目用と右目用の画像を収めたHEICファイルです[6]。StereoPhoto Makerの公式ページでは、空間写真をSBSのJPEGに変換するWindowsアプリ「spconv」も紹介しています[4][7]。撮れる機種と見方は空間写真のガイドで説明しています。
- ニンテンドー3DS:外側の2つのカメラで3D写真が撮れます。3D写真はMPO形式で、2D写真(JPEG形式)と一緒に、SDカードの「DCIM」フォルダに保存されます[8]。
- FinePix REAL 3D W3:富士フイルムの3Dデジタルカメラです。同社の研究報告によると、記録方式は「MPO+JPEGまたはMPO」です[9]。
MPOファイルは、StereoPhoto Makerで開いて、SBSやアナグリフ(赤青メガネ用)の画像として保存できます[5]。
普通の写真1枚から作る
普通の写真1枚から奥行きを推定し、立体に見せる方法もあります。2つのレンズで撮った写真とは違い、奥行きは推定したものです。
- Meta Quest(メタクエスト):Metaのリリースノートによると、Meta Horizon OSのバージョン2.5(2026年6月22日の週から段階的に提供)から、ギャラリーの写真や動画が自動的に3Dで開くようになりました。Horizonアプリからアップロードした写真も3Dで表示できます[10]。
- Owl3Dアプリ:普通の写真(JPGやPNG)を、パソコンで立体写真のファイルに変換します(Owl3Dでできること)。
立体写真を見る方法

平行法は、右目で右の画像を、左目で左の画像を見る方法です。交差法は、視線を画像の手前で交差させ、左目で右の画像を、右目で左の画像を見る方法です。撮った位置どおりに並べると平行法で、左右を入れ替えると交差法で見られます[1]。
平行法のコツは、遠くを見るような視線で2枚をぼんやり見ることです。2枚が3枚に見えてきたら、真ん中の1枚に意識を集中すると、立体的に見えます[11]。
| 見方 | 必要なもの | 用意する画像 |
|---|---|---|
| 平行法・交差法 | なし | 2枚を横に並べた画像。小さめの画像が見やすい[1] |
| ステレオビューア | ビューア | 2枚を並べたプリント。学研の自由研究キット「3D写真を作ろう」は3Dビュアでのぞく方式[12] |
| アナグリフ | 赤青メガネ | アナグリフの画像。StereoPhoto Makerで作れる[4] |
| 3Dテレビ | 3D対応テレビと3Dメガネ | SBS。ソニーのテレビでは「3D(左右分割)」で表示(機種による)[13] |
| ARグラス | XREAL Oneシリーズなど | SBS。XREALの「3D Mode」で表示(説明ページは英語)[14] |
| VRゴーグル | Meta Questなど | 普通の写真でよい。ギャラリーで自動的に3Dで開く[10] |
| ニンテンドー3DS | 3DS本体 | 3DSで撮った3D写真[8] |
| 裸眼3Dディスプレイ | Owl3D Shiftなど | SBSかトップボトム(上下に並べた形式) |
立体に見えないとき
2枚が3枚に見える:正しく見えています。真ん中に見える画像が立体です[1]。ガールズちゃんねるの2017年11月のトピックでも、「ふたつ並んだ画像が3枚に見えるのは正解ですか?」という質問に「あってるよ!真ん中の画像が立体に見えるはず」という返事が付いていました[15]。
2枚がずれすぎて重ならない:1台で撮る場合は、近くのものほど動かす幅を小さくします[3]。2つのレンズがあるカメラでも、同じような相談があります。価格.comのクチコミ掲示板では、2012年9月にFinePix REAL 3D W3で鉄道を望遠で撮った人が「2つの画像がずれすぎてうまくいきません」と書き、返信した1人は、カメラの自動調整がうまく働かなかったのだろうと答えていました[16]。撮ったあとのずれは、StereoPhoto Makerの「左右自動位置調整」で直せることがあります[5]。
パソコンやスマホで平面に見える:普通の画面では、両目に同じ画像が見えます。MPOや空間写真のファイルは、SBSに変換してから、3Dで見られる機器に表示するか、平行法・交差法で見ます。3DSで撮ったMPOは、3DS本体でも3Dで見られます[8]。
この節の対処法は、いずれもOwl3Dでは試していません。
Owl3Dでできること

Owl3D Shiftは、Owl3Dアプリを入れたパソコンにつないで使う、14インチの裸眼3Dディスプレイです。3Dで見られるのは一度に1人です。「Stereo 3D Playback」という機能を使うと、Shiftの画面に映したSBSやトップボトムの写真を、メガネなしで3D表示できます。MPOや空間写真(.heic)はそのままでは表示できないので、先にStereoPhoto MakerなどOwl3Dアプリ以外のツールでSBSなどに変換します。「3D Photo Viewer」は、パソコンのメイン画面に大きく表示した普通の写真から奥行きを推定し、Shiftに3Dで表示します。頭を動かすと、その位置に合わせて見える角度が変わります。この機能には対応するGPUが必要で、初回は約1.3GBのモデルをダウンロードします。
Owl3Dアプリを使うと、手元のWindowsパソコンやMacで、使う権利のある普通の写真や動画をAIでSBS、Half SBS、トップボトムのファイルに変換できます。できあがる3Dは、AIによる変換であり、2つのカメラで撮影した空間写真や空間ビデオとは別のものです。アプリの表示は英語です。
Owl3Dの製品Owl3D Shiftパソコンの横に置いて使う、14インチの裸眼3Dディスプレイ。よくある質問
立体写真のように、動画も3Dで見られますか?
見られます。3D動画の見方は、3D動画のガイドで説明しています。
3DSで撮った3D写真をパソコンで見るにはどうすればいいですか?
3D写真はSDカードの「DCIM」フォルダにMPO形式で保存されています[8]。StereoPhoto MakerでMPOファイルを開くと、SBSやアナグリフの画像として保存できます[5]。
StereoPhoto Makerは無料ですか?
英語版の公式ページには、フリーウェアと書かれています[17]。Windows用のソフトですが、公式ページによると、Pro版はMacでも動作します[4]。
写真から作る3Dモデルと立体写真は、同じものですか?
違います。3Dモデルは、回したり3Dプリントしたりできる立体のデータです。立体写真は、左右の目に別々に見せる2枚の写真です。
出典 (17)
- Wikipedia、「ステレオグラム」、https://ja.wikipedia.org/wiki/ステレオグラム (2026年10月14日閲覧)
- キヤノン、キヤノンサイエンスラボ・キッズ「立体写真を作ろう」、https://global.canon/ja/technology/kids/experiment/e_04_03.html (2026年10月14日閲覧)
- 「ステレオ写真を撮る」(個人サイト)、https://kurikou.sakura.ne.jp/stereogram/technique.html (2026年10月14日閲覧)
- ステレオフォトメーカー公式ページ、https://stereo.jpn.org/jpn/stphmkr/index.html (2026年10月14日閲覧)
- 須藤益司、「ステレオフォトメーカー(SPM)の使い方(初級編)」、https://stereo.jpn.org/jpn/stphmkr/spm_basic_usage.pdf (2026年10月14日閲覧)
- Apple Developer Documentation、「Creating spatial photos and videos with spatial metadata」(英語)、https://developer.apple.com/documentation/imageio/creating-spatial-photos-and-videos-with-spatial-metadata (2026年10月14日閲覧)
- 「spconv — HEIC バッチ変換(Windowsアプリ)」、https://suto.bex.jp/spconv/indexj.html (2026年10月14日閲覧)
- 任天堂、「ニンテンドー3DSカメラ」、https://www.nintendo.co.jp/hardware/3dsseries/camera/index.html (2026年10月14日閲覧)
- 富士フイルム、「3Dデジタルカメラ「FinePix REAL 3D W3」の撮影画像を用いた「3D計測システム」の開発」(富士フイルム研究報告)、https://asset.fujifilm.com/www/jp/files/2019-10/bc635c8a92a895baa49bf47be8bf2443/rd_report_ff_rd057_008.pdf (2026年10月14日閲覧)
- Meta Questヘルプセンター、「Meta Questリリースノート」のバージョン2.5(2026年6月22日の週)、https://www.meta.com/ja-jp/help/quest/172903867975450/ (2026年10月14日閲覧)
- STEREOeYe、「平行法による見方」、https://www.stereoeye.jp/howto/parallel.html (2026年10月14日閲覧)
- 学研、学研サイエンスキッズ「3D写真を作ろう」、https://www.gakken.jp/science/mag_kagaku/otasuke/kit17.html (2026年10月14日閲覧)
- ソニー、ブラビア ヘルプガイド「3D映像を見る」、https://helpguide.sony.net/gbmig/14HE1091/v1/jpn/3dcont_passive_2k_60hz.html (2026年10月14日閲覧)
- XREAL、Oneシリーズのチュートリアル「3D Mode」(英語)、https://tutorials.xreal.com/docs/glasses/one-series/osd/3d-mode/ (2026年10月14日閲覧)
- 利用者のコメント:ガールズちゃんねる、「立体視の画像を貼っていこう!」(2017年11月23日)、https://girlschannel.net/topics/1439003/ (2026年10月14日閲覧)
- 利用者の投稿:価格.comクチコミ掲示板、「うまく3Dにならない」(2012年9月23日)、https://bbs.kakaku.com/bbs/K0000138949/SortID=15108500/ (2026年10月14日閲覧)
- StereoPhoto Maker、英語版公式ページ(英語)、https://stereo.jpn.org/eng/stphmkr/ (2026年10月14日閲覧)