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深度マップ(デプスマップ)とは?白黒の意味、作り方、使い道

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この記事について:公開されている情報をもとにOwl3Dが執筆しました。出典(全21件)は記事の最後に掲載しています。

結論

深度マップ(デプスマップ、深度画像)は、各ピクセルに色の代わりに、カメラからその部分までの距離を記録した画像です[1][2]。ふつうは白黒の濃淡で表しますが、手前を白にするソフトも、奥を白にするソフトもあります[3][4]。作り方は大きく分けて、深度センサー(パターンの投影やToF)で測る、2つのカメラで撮った画像のずれから計算する、AIで写真1枚から推定する、の3通りです[1][5]。手元の写真から作るなら、無料の深度マップ作成ツールがブラウザの中で使えます。この記事は、深度マップ作成ツールと、動画を3Dに変換するOwl3Dアプリを開発しているOwl3Dが書いています。

左は芝生の上に立つ白と茶色の小型犬と、後ろの青と紫のベンチの写真。右は同じ写真の深度マップで、手前の芝生が白、犬とベンチが灰色、奥のフェンスと生け垣が黒。

左:写真。右:その深度マップ(手前が白)。Owl3Dの深度マップ作成ツールで作りました。写真:Marco Del Torchio 95、CC0、Wikimedia Commons

この記事のポイント

  • 深度マップの濃淡が表すのは、明るさではなく距離です。白黒写真とは別のものです(深度マップに写っているもの)。
  • 白が手前か黒が手前かは、ソフトによって違います。使うソフトが求める向きと逆なら反転します(白と黒)。
  • センサーは実際の距離を測ります。写真1枚から深度を推定するAIには、メートル単位の距離ではなく「どこが手前か」だけを出すものもあります(作り方)。
  • スマホのポートレート撮影での背景ぼかし、Face ID、Blender、画像生成、レーザー彫刻、2Dから3Dへの変換に使われています(使い道)。

深度マップに写っているもの

Appleの開発者向け資料は、深度マップを画像に似ているとしたうえで、「各ピクセルが色を提供する代わりに、カメラから画像のその部分までの距離を示します」と説明しています[1]。Googleの資料での定義は「視点からの距離を表す値(整数または実数)の画像」です[2]。3DCGのZバッファ(深度バッファ)も奥行きの情報を持つ仕組みで、名前は奥行き方向のZ軸に由来します[4]。

濃淡で表示されますが、白黒写真とは違います。白黒写真の濃淡は明るさなので、黒い服や影も暗く写ります。深度マップの濃淡は距離なので、色や影には左右されません。白黒写真をそのまま立体化や彫刻に使うとおかしな形になるのは、このためです。

8bitの深度マップは、0〜255の256段階で距離を表します[3][6]。16bitなら65,536段階です。見やすくするために、濃淡の代わりに距離ごとに色分けして表示することもあります(作り方のKinectの図)。

白が手前?黒が手前?

どちらも使われています。2D画像を3Dに変換するJVCケンウッドの特許では、デプスマップは白に近いほど「観察者との距離が近いことを示し」ます[3]。画像生成のControlNetのdepthモデルも、黒が奥(deep)、白が手前(shallow)の画像で学習されています[7]。一方、Wikipediaの「Zバッファ」の図は、「奥ほど白く描いている」と説明されています[4]。

同じ深度マップを2つ並べた画像。左は手前の芝生が白く奥が黒い。右は濃淡が逆で、芝生が黒く奥が白い。
同じ深度マップを、手前を白(左)と手前を黒(右)で表示したもの。Owl3Dの深度マップ作成ツールで作りました。元の写真は上と同じです。

確かめるには、手前にあるとわかっているもの(写真の下のほうに写る床や地面など)の色を見ます。使うソフトが求める向きと逆なら、深度マップを反転します。たとえばレーザー彫刻ソフトLightBurnの「3D Sliced」モードでは、暗い部分ほど深く彫られ、「Negative Image」で明暗を反転できます[8]。立体にしたら手前が凹んだ、彫刻で残したい部分が彫れた、というときは、向きが逆です。

深度マップの作り方

方法奥行きの求め方使われている例
2つのカメラ(ステレオ)カメラに近いものほど、2枚の画像のあいだのずれ(視差)が大きくなることを利用します[1]2つのレンズで撮るデュアルカメラのiPhone[1]
パターンの投影赤外線のパターンを投影し、パターンの歪み方から距離を計算します[1]iPhoneのFace ID[9]、初代のKinect[10]
ToF・LiDAR照射した光が戻ってくるまでの時間から距離を測ります[11]Kinect 2.0、iPhone 12 Pro/Pro MaxのLiDAR[10]
AIで写真1枚から学習したモデルが、写真1枚から奥行きを推定します[5][12]深度マップ作成ツール、2Dから3Dへの変換
左は、ノートパソコンのキーボードに置いた手を赤外線で写した写真で、細かい光の点が一面に写っている。右は同じ場面の深度マップで、距離ごとに色分けされ、手はピンク、机は赤、奥の壁は緑、ところどころ黒い抜けがある。
パターンを投影するセンサーの例。初代のKinectが投影した点の模様を赤外線カメラで写したもの(左)と、Kinectで得た深度マップを色分けしたもの(右)。画像:Kolossos、CC BY-SA 3.0、Wikimedia Commons(左、右)

カメラが1台でも、スマホを動かしながら角度の違う画像を何枚も撮って比べれば、距離を推定できます。GoogleのARCoreはこの方法を使っています[13]。

測った深度と、推定した深度

センサーは実際の距離を測れます。iPhoneのTrueDepthカメラは、深度を「メートル単位」で直接測定できます[1]。一方、写真1枚から深度を推定するAIモデルには、相対的な深度を出すものと、実際の距離(メトリック深度)を出すものがあります[5]。相対的な深度は、どれが手前でどれが奥かという順序を表すだけで、正確な距離は含みません[5]。深度マップ作成ツールが使うDepth Anything V2は相対的な深度を出すモデルで、実際の距離を出す版は別に公開されています[5][12]。Appleによると、iPhoneのデュアルカメラの深度は実際の距離としては正確ではありませんが、深度を利用する画像効果には役立ちます[1]。長さを測るには、センサーか、実際の距離を出すモデルが必要です。

写真1枚から無料で作る

Owl3Dの深度マップ作成ツールでは、写真を選ぶだけで深度マップができます。AIモデル(Depth Anything V2 Small)がブラウザの中で奥行きを計算するので、写真はアップロードされません。手前を白にするか黒にするか、PNGを8bitにするか16bitにするかを選べます。保存した画像には、深度マップの下に「made with owl3d.com」の帯が付くので、ほかのソフトで使う前に帯を切り取ってください。

深度マップは何に使う?

  • ポートレートのぼかし。 iPhoneでは、撮影時に深度の情報が取得された写真なら、ポートレート効果を撮ったあとから付けたり、背景のぼかしを調整したりできます[14]。深度マップと写真を組み合わせれば、手前と奥を別々に処理できます[1]。
  • 顔認証。 Face IDは、何千もの目に見えないドットを顔に投射して、顔の深度マップを作ります[9]。
  • AR。 仮想の物体を現実のものの後ろに正しく隠す処理(オクルージョン)に深度を使います[13]。
  • 3DCG。 BlenderのDisplace(ディスプレイス)モディファイアーは、テクスチャの強度に応じて頂点を動かします[15]。深度マップをテクスチャに使えば、平面に奥行きどおりの凹凸を付けられます。2つのカメラから得た視差マップは、3Dの点群に変換することもできます[16]。
  • 画像生成。 ControlNetのdepthモデルは、深度マップを条件として画像を生成します[7]。
  • レーザー彫刻。 LightBurnの「3D Sliced」モードは、深度マップを使うためのモードです[8]。
  • ステレオグラム。 ステレオグラムでは、深度を指定する白黒画像の明るい部分が手前に、暗い部分が奥に見えます[17]。Owl3Dのステレオグラム作成ツールも深度マップを読み込めます。
  • 2Dから3Dへの変換。 JVCケンウッドの特許では、まず2D画像からデプスマップを作り、深度に応じて画素をずらして左目用の画像を生成します。デプスマップの白に近い部分ほど、手前に見えます[3]。Owl3Dアプリでは、WindowsパソコンやMacで、使う権利のある普通の写真や動画を、AIでサイドバイサイド(SBS)などの3Dに変換できます。保存されるのは3Dの写真や動画で、深度マップではありません。無料プランでは1回の変換につき動画60秒まで変換でき、透かしは入りません。できあがる3Dは、AIによる変換であり、2つのカメラで撮影した空間写真や空間ビデオとは別のものです。アプリの表示は英語です。

深度マップがおかしいとき

症状 原因 対処法
深度カメラの深度マップに黒い抜けがある Azure KinectのToFカメラでは、1つのピクセルに複数のものから反射した光が混ざると、そのピクセルは無効になります。壁と壁が接する隅などでよく起きます[18] 角度や照明を変えて撮り直すか、画像編集で埋めます
白い壁など、模様の少ない面の奥行きがおかしい カメラを動かして撮った画像から推定する方法では、特徴の少ない面の奥行きは不正確になりやすくなります[13] 模様のあるものを入れて撮るか、手で直します
ものの輪郭の周りがにじむ JPEGは非可逆圧縮のため、濃淡が急に変わる境目の周りにモスキートノイズと呼ばれるノイズが出ます[19] 深度マップは、可逆圧縮のPNGで保存します[19]
なめらかな斜面が段々になる 8bitでは256段階しかありません[6] 使うソフトが対応していれば16bitで保存します
立体にしたら手前が凹んだ 白と黒の向きが、ソフトの求める向きと逆です 反転します(白と黒)
2Dから3Dにしたら、手前のものの縁に隙間ができた 手前のものだけをずらすと、画素のない部分ができます[3] 隙間を周囲の画素で埋めます[3]。目立つ場合は、奥行きの差を小さくします

よくある質問

深度マップ、デプスマップ、深度画像は同じものですか?

同じものです。どれも、視点からの距離を値として持つ画像のことです[2]。GoogleのARCoreの資料は「深度画像」と呼んでいます[13]。

深度マップと視差マップは何が違いますか?

視差マップは、2つのカメラで撮った画像のあいだで、同じ点がどれだけずれたかを記録したものです。その値は奥行きに反比例するので、近いものほど大きくなります[16]。iPhoneのデュアルカメラが記録する深度データも視差で、単位は1/メートルです[1]。

深度マップとハイトマップは同じですか?

3DCGでは役割が違います。深度マップは視点からの距離を表す画像ですが[2]、ハイトマップ(高低マップ)は、バンプマッピングで面の細かな凹凸を表現するために使われる画像です[20]。ただしレーザー彫刻では、深度マップをハイトマップと呼ぶこともあり、LightBurnの説明書も「depth maps – sometimes called height maps」と書いています[8]。

深度マップの「距離」は、どこからどこまでの距離ですか?

センサーによって違います。光軸(ふつうはz軸)に沿った深さと、各ピクセルを通る光線に沿った深さの2つの定義があります[2]。見た目に使うだけならどちらでも問題ありませんが、長さを測るなら使うセンサーの定義を確かめてください。

スマホで深度マップは撮れますか?

撮れる機種があります。iPhoneでは、デュアルカメラ、TrueDepthカメラ、LiDARスキャナが深度を記録します[1][10]。どのスマホの写真からでも、あとからAIで深度マップを作れます(写真1枚から無料で作る)。

Photoshopで深度マップは作れますか?

作れるという記事があります。2022年11月のnote.comの記事では、ニューラルフィルターの「深度ぼかし」で「深度マップのみ出力」にチェックを入れて、深度マップを書き出しています。その記事の筆者は「photoshopは手前が黒、奥が白で出力する様子」と書いています[21]。この方法は、Owl3Dでは試していません。書き出した深度マップをほかのソフトで使う前に、白と黒の向きを確かめてください。

深度推定とは何ですか?

画像から奥行きを予測する処理です。写真1枚から予測するものを単眼深度推定と呼びます[5]。

出典 (21)

  1. Apple、「被写界深度付きの写真を取り込む」(Apple Developer Documentation、AIによる日本語訳)、https://developer.apple.com/jp/documentation/avfoundation/capturing-photos-with-depth(2026年10月17日閲覧)
  2. Google、「概要|Depthmap Metadata」(Google for Developers)、https://developers.google.com/depthmap-metadata?hl=ja(2026年10月17日閲覧)
  3. JVCケンウッド、特許公開「画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム」JP2013156955A(Google Patents)、https://patents.google.com/patent/JP2013156955A/ja(2026年10月17日閲覧)
  4. Wikipedia、「Zバッファ」、https://ja.wikipedia.org/wiki/Zバッファ(2026年10月17日閲覧)
  5. Hugging Face、「Monocular depth estimation」(Transformers documentation)(英語)、https://huggingface.co/docs/transformers/en/tasks/monocular_depth_estimation(2026年10月17日閲覧)
  6. Wikipedia、「色深度」、https://ja.wikipedia.org/wiki/色深度(2026年10月17日閲覧)
  7. Lvmin Zhang、「Controlnet - Depth Version」(Hugging Face)(英語)、https://huggingface.co/lllyasviel/sd-controlnet-depth(2026年10月17日閲覧)
  8. LightBurn、「3D Sliced Engravings」(LightBurn Documentation)(英語)、https://docs.lightburnsoftware.com/galvo/3DSlice.html(2026年10月17日閲覧)
  9. Apple、「先進のFace IDテクノロジーについて」(Apple サポート)、https://support.apple.com/ja-jp/102381(2026年10月17日閲覧)
  10. Wikipedia、「TOFカメラ」、https://ja.wikipedia.org/wiki/TOFカメラ(2026年10月17日閲覧)
  11. ソニーセミコンダクタソリューションズ、「ToF(Time of Flight)技術<産業用>」、https://www.sony-semicon.com/ja/technology/industry/tof.html(2026年10月17日閲覧)
  12. Lihe Yangほか、「Depth Anything V2」(GitHub)(英語)、https://github.com/DepthAnything/Depth-Anything-V2(2026年10月17日閲覧)
  13. Google、「奥行きがあるとリアルさが増す|ARCore」(Google for Developers)、https://developers.google.com/ar/develop/depth?hl=ja(2026年10月17日閲覧)
  14. Apple、「iPhoneのカメラでポートレートを撮る」(iPhoneユーザガイド)、https://support.apple.com/ja-jp/guide/iphone/iphd7d3a91a2/ios(2026年10月17日閲覧)
  15. Blender Foundation、「Displace(ディスプレイス)モディファイアー」(Blender Manual)、https://docs.blender.org/manual/ja/latest/modeling/modifiers/deform/displace.html(2026年10月17日閲覧)
  16. Wikipedia、「コンピュータステレオビジョン」、https://ja.wikipedia.org/wiki/コンピュータステレオビジョン(2026年10月17日閲覧)
  17. 窓の杜、「立体視可能な“ステレオグラム”を任意の模様で作成できる「StgMKr-win」v1.40」(2003年5月23日)、https://forest.watch.impress.co.jp/article/2003/05/23/stgmkrwin.html(2026年10月17日閲覧)
  18. Microsoft、「Azure Kinect DK 深度カメラ」(Microsoft Learn、以前のバージョンのドキュメント)、https://learn.microsoft.com/ja-jp/previous-versions/azure/kinect-dk/depth-camera(2026年10月17日閲覧)
  19. Wikipedia、「JPEG」、https://ja.wikipedia.org/wiki/JPEG(2026年10月18日閲覧)
  20. Wikipedia、「バンプマッピング」、https://ja.wikipedia.org/wiki/バンプマッピング(2026年10月17日閲覧)
  21. ともえっくす、「1枚の写真を立体的に動かす~深度マップとディスプレイスメントマップを使って」(note、2022年11月29日)、https://note.com/tomoex/n/n65ddeee2778f(2026年10月18日閲覧)

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